それからその次の北行八一〇B電車、これは新子安の駅にちょうどとまっておりまして、客扱いの最中に、出発直前でございましたが、出発信号機が消灯いたしまして、そして停電いたしまして、同時にATSの警報が鳴ったということで、そのまま停止いたしております。それから東海道線の旅客列車の下り線八四三S、これは左の上のほうにございます。これは現地に差しかかる手前の電車でございます。
この左の下部の方に信号扱所がありまして、ここで電車を振りわける仕事をやつているわけでありますが、そこへ下り線一二七一B電車が渡り線を渡つて進行して来たために、電車をとめることが間に合わず、その電車の最前部のパンタグラフが上り線のトロリー線にひつかかりまして、トロリー線が切断した。
そのときにあたかもこの下り一二七一B電車が入つて参りまして渡り線を渡つて進行して来たためにこれが間に合わないで、何ら施す術もなく先ほど申上げましたように電車の最前部のパンタグラフが上り線のトロリー線に引つかかりましてトロリー線は断線し、パンタグラフに巻きついたという結果に相成つたわけです。